オーク樽を焦がして貯蔵する真っ黒なモルトウイスキー|ロッホ・デュー

ロッホ・デュー|LOCH DHU

スコットランド・ハイランド地方のスペイサイドは、50以上もの蒸溜所が集まるスコッチウイスキーのメッカ。スペイ川の流域に位置する湿地帯ですが、ウイスキーの主原料となる大麦の生育には最適で、湿地帯はピート(泥炭)を生み出しました。このピートを使い大麦麦芽を乾燥させることで生まれるのがスコッチ独特のスモーキーフレーバー。

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この豊かな香りこそが、スコッチウイスキーの特徴といえます。 スペイサイドでスコッチウイスキーが発展したのは、1644年ごろから1820年まで続いた密造時代にさかのぼります。イングランドへの反感と課税を嫌う蒸溜家たちは北部へと逃れ、スペイ川の流域に集まりました。この時代にピートによる麦芽乾燥が始まり、樽熟成の発見があったとされています。
こうしたスペイサイド・モルトのなかでも、強い個性を放っているのが、真っ黒なシングル・モルトウイスキー『ロッホデュー』。バーボン貯蔵後のオーク樽の内側を真っ黒に焦がして、それを2回繰り返して貯蔵するため、真っ黒なモルトウイスキーが生まれるのです。この『ロッホデュー』を製造しているのは、マノックモア蒸溜所。ロッシー川の谷に建つグレンロッシー蒸溜所の敷地内に1971年新設された第2蒸溜所で、原料や仕込み水も同じものが使われています。ここで生産される名酒『マノックモア』が全モルトウイスキーの中でも色が薄いことで有名になったため、真っ黒なモルトウイスキーを製造したのがはじまり。ラベルには「ブラック・ウイスキー」と表記されています。
 『ロッホデュー』の香りは濃厚でわずかな甘さもあり、飲み口は想像以上になめらか。焦げくささはなく、飲みごたえがあります。生産数が少ないため、貴重なモルトウイスキーです。